茶筒−和風の暮らしにマッチ
毎朝、お茶を入れるとき、愛着のわく道具があると愉しいものです。木の茶筒は、年と経るごとに味わいと艶がでてきます。手に取ったときの優しい白木の感触は、漆器や金属製品では味わえないものです。
日常使いの器
茶筒というのは、比較的新しい器です。茶道の世界では、古くから茶器や茶入れ、棗というものがあります。12世紀の文献には「茶筒」という記述がありますが、現代のようなかたちの茶筒とは違うようです。室町時代以降の中次と呼ばれる抹茶の茶入れが近いかたちをしていますが、内ふたの有無や高さなどの点で、違いを感じさせます。
木を刳りぬいて、細長い寸胴型の茶筒を精密に作るのは、むかしの轆轤では結構むずかしいことだったと思います。電動の旋盤や轆轤で挽くようになってから、ようやく底の深い筒状で密閉性の高いものを作れるようになったのです。
茶筒は、普段の暮らしの中で気軽に使っていただけるカジュアルなアイテムといえるでしょう。シンプルなデザインのものは、モダンな空間においてもよく調和します。
薄挽きで軽く
当工房の茶筒は、胴の立ち上がり部分やふたの側面を、かなり薄く仕上げています。ここまで木を削り落として成形できるのは、木の強度というものを十分に知り尽くしているからです。厚く仕上げれば堅牢な感じがしますが、厚みを残せばそれだけ重たくやや民芸調になってしまいます。また、厚みが3ミリ厚くなっただけで容積は10%近くも減ってしまいます。
性の良い材を生かす
硬い欅の茶筒は、定番中の定番といっていいでしょう。欅という材木は、たぐい希な多様な木目があり、木目の希少性がそのまま価格に反映します。杢物といえないごくふつうの欅にも、品質の善し悪しはあります。当工房の値頃な6,000〜7,000円の茶筒は、木目の細かい性の良い欅の良い部分を木取りしておりますので、安心して末永く愛用していただけると思います。
二重ふたの調湿性
欅 | ¥6,000〜30,000 |
神代欅 | ¥6,000〜25,000 |
桑 | ¥7,000〜13,000 |
梅 | ¥8,000〜15,000 |
花梨 | ¥30,000〜50,000 |
鉄刀木 | ¥12,000〜15,000 |
黒柿 | ¥20,000〜80,000 |
槐 | ¥7,000〜12,000 |
煎茶・番茶などを保存するのに適しています。コーヒーの粉もOKですが、容積の大きいものを選んでください。外ふたと内ふたの二重構造で、調湿性は他の素材に比べ優れています。ただし、入れたまま1年間空けないでおくような長期保存には不向きです。また、木は断熱性も優れています。
程良い直径70ミリ前後
茶筒の直径はおおよそ60〜80ミリです。大抵の人は70ミリ前後が手でつかみやすいはずです。掌の小さい方では65ミリぐらいが妥当ですが、やや容量が小さくなります。80ミリはやや太く感じられるでしょう。
欅以外に扱っているものを右表に示します。WEBで紹介していないものについては問い合わせてください。
欅の茶筒を記念品にしませんか。\6,000円のものを数十個まで、まとめて注文を承ることができます。