ナチュラルな木の器と漆
塗らない木の器を、白木(素木:しらき)の器といいます。漆器下地としての半製品ではなく、白木といっても白いわけではありません。当工房で使う素材は上質材で、硬く耐久性があり、艶やかさを秘めています。白木の器は、和みの器です。本物の木の質感を愉しみたいこだわり派の方におすすめします。
日本が誇る伝統技術である漆は、確かにすばらしい自然塗料です。器を使う人にとって、塗ってあると安心でしょう。しかし私は、誤解を生むことを承知の上で、まずナチュラルな白木の味わいを提案します。→詳しく
木地師って何
木を回転させて削り、挽物を作る人を、木地師といいます。木地師は、自らを「木地屋:きじや」と呼んできました。木地屋は、漆器の下地だけをつくる職人と思われがちですが、最近は自分で塗りをこなし加飾もして作品をつくる完結型の作家が増えています。下地だけをつくるわけでないという意味で「挽物師」とか「ろくろ工芸士」という言い方もあります。
実際の作業は、木くずとほこりにまみれます。彫物・刳物・曲物・指物・建具・大工・家具製造などあらゆる木工芸の中で、最も汚れる仕事と言ってよいかもしれません。単調に見える作業の中でしかし、木との対話は濃密です。他の木工芸に劣らない経験の積み重ねがあります。木の国ニッポンで千年以上も培ってきた木地屋の底力を、いま一度見直していただきたいと、このサイトを立ち上げました。
挽物って何
木挽きというと単に木を伐ることを言いますが、挽物(ひきもの)はなぜか回転させて削ったものだけを指します。木地師にかかわる用語は得てして分かりづらいのです。椀や盆、茶筒、こけし、こま、家具部品などはもちろん、広い意味ではバットも挽物といえます。
回転させるためには、ろくろや木工旋盤を使います。最近は、「挽物」が聞き慣れない言葉になってしまい、ウッドターニング(WoodTurning)という外来語も使われます。→詳しく
杢って何
木目といえばふつうは柾目や板目です。しかし、ケヤキやトチなどの老木はそうした分類には収まらない絶妙の模様があり、それらを特別な木目として杢(もく)と呼んでいます。
銘木を扱う人たちは、特徴的なものを玉杢や縮杢、笹杢、孔雀杢など名をつけています。こうした材料は年々減っており、希少的な価値が高くなっています。→詳しく
極上の和雑貨を揃えます
当工房は、一品物を手作りします。特に木目の素晴らしい盆や茶筒などは、全国唯一の品揃えを目指しています。今風に言うなら「世界に一つの和雑貨」でしょうか。一木造りの八角茶筒(茶入れ)などこだわりの茶道具のほか、今後、モダンなトレーやキャディー類なども順次発表する予定です。また「ピックアップ」欄で随時、解説しますので、ご期待ください。
田中ロクロ工芸の商品は、実用性が基本。なるべく修飾はせず、素材の良さを引き出します。高価と思われがちな銘木工芸品をリーズナブルな製造直販価格で提供します。